この内容をまとめたきっかけは、筆者(宮田秀典)のある大学での講義にあります。2回生対象の講義で、担当の先生から「社会のこと、企業のこと」を教えてやって欲しいという依頼が発端でした。その講義を何年か重ねて参りました。
折角の資料なので、体裁を整えて公表したいと思いが以前からありましたが、筆者自身の能力の問題もあり、なかなか踏み切れませんでした。しかしながら、2019年末から始まったコロナ禍が、それを後押ししてくれました。このコロナ禍によって、日本という社会の抱えているさまざまな課題が浮かび上がってきました。
もう一つ、後押しがあります。それは、ここ何年間かで読んだ本や雑誌です。数年前に「パラダイス鎖国」(海部美知著)を読みました。そこで、「日本は忘れられた大国か?」との評価があることを知りました。また、「ファクトフルネス」(ハンス・ロスリング、他著)という本からも刺激を受けました。そして、近々では、あるビジネス雑誌に「日本は世界の最先端の国から、もう中位の国になっています。ひょっとしたら、発展途上国になるんじゃないかと僕は思うんですよ。」と柳井正さん(ファーストリテイリング会長兼社長)が述べられていることを知りました。
そこで、改めて日本という国、むしろ、日本という社会と企業の姿を、各種の公表されたデータを基にして浮かび上がらせたいと思いました。
これから、徐々に内容を追加して公表させて頂きます。ご一読頂ければ幸いです。また、必要に応じて内容を更新する場合があります。その点、ご了承下さい。
第1章 世界の中の日本社会 に続く
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