ここまで、GDP、一人当りGDP、平均賃金を通して、日本の経済力の状況を見てきました。それらをまとめると以下のようになります。
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1970年前後~1990年にかけて、日本のGDPは大きく伸びました。1990年11月に始まった「バブル崩壊」後、日本経済の伸びが止まり、低迷が始まりました。それ以来、経済面では、「失われた10年」、「失われた20年」と呼ばれ、いまや「失われた30年」になったとも言われています。
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現在はGDPでは世界第3位ですが、2位の中国は日本の約2.6倍で大きな差があります。今の日本はGDP第3位グループのトップという捉え方の方がリーズナブルと言えます
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生活の豊かさを示す一人当たりGDP(PPP換算)は、G7諸国の中では最下位の第7位。その他の国を加えた先進国グループでは27位。決して高いレベルではありません。また、働く人の平均賃金も同様の状況を示しています。
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また、GDPや平均賃金の世界各国の伸び率などを見ると、多くの国の経済は成長していることが判ります。それに対して、日本の経済は伸び率が小さいと言えます。このことを相対的に見ると、日本は諸外国に比べて徐々に貧しくなっていると見ることもできます
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このような状況が、現在の経済面や生活面での「閉塞感」を生み出していると言えるのではないでしょうか?
今後、人口の減少、少子高齢化は更に進みます。このような中で、私たちの生活を支える経済をどのような状態に持っていくべきかについて考える時に来ているのではないでしょうか。