3.財政力(景気停滞と共に、借金国家へ)

 ここまで、日本という国の経済力とそれを支える人口力について見てきました。それに続いて、国家(政府)の財政力を確認します。

図表1-15 国家予算の構成と国債保有者

左図 https://www.mof.go.jp/policy/budget/budger_workflow/budget/fy2022/seifuan2022/01.pdf

 

右図 https://www.mof.go.jp/jgbs/reference/appendix/breakdown.pdfより作成

 上の図表115左側の円グラフは、2022年度(令和4年度)の一般会計当初予算の構成を表しています。歳入合計は107.6兆円です。ここで注目したいのは、その歳入34.3%が「公債金」という名の借入金で賄われている点です。このように、日本は多額の公債で予算を賄っている、いわば「借金国家」なのです。この前年、2021年度(令和3年度)当初予算はコロナ禍による税収減と支出増により、その比率が40.9%と大きくなっていました。

 この国家の借金をどこが支えているかを示したのが、図表1-15の右側の円グラフです。公債の約半分を日本銀行が賄っています。それに続いて、銀行、生保・損保、公的年金などが、国の借金を支えています。これが現在の日本の国家財政なのです。

 次に、この公債依存率のこれまでの経緯を確認しましょう。図表116のグラフは1975年度(昭和50年度)から2022年度(令和4年度)までの国家財政の公債依存率の推移を表しています。第2次オイルショックに見舞われた1979年には34.7%、バブル崩壊不況の1998年頃からは40%前後で推移し、リーマンショックの2009年度には50%を超えています。このように、日本の国家財政は慢性的な赤字状態であり、それを公債で補っているという状態が長期に渡って続いています。近年の状態では、国家予算の1/3以上が公債に依存しています。まさに「借金国家」という状況になっています。

図表1-16 国家財政の公債依存度推移

政府統計総合窓口 e-Statを利用して作成

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